賃貸借契約 公正証書 効果 費用

不動産相続コンサルタントのブログ@東京多摩

賃貸借契約は公正証書契約にしたほうがよいか?

読了までの目安時間:約 5分

 

土地や建物の賃貸借契約を締結する際、契約書を公正証書にすることは滅多にありませんが、たまに貸主側より「契約は公正証書で作ってもらいたい」といったご依頼をいただくことがあります。

 

特に、賃料が比較的高額になる事務所や店舗の契約の際にそのようなご依頼をいただくことが多い傾向にありますが、そのような際、「契約書としの効力は公正証書であってもなくても変わりはありません。費用が掛かることなので借主さんも嫌がりますし、実務的にはほとんど公正証書を作ることはありませんよ」といったニュアンスの回答をさせていただきます。

 

では、賃貸借契約を公正証書にすることはまったくもって意味がないことなのでしょうか・・・?

 

 

 

公正証書を作るメリットとして、まず「公証役場により間違いのない契約ができる」という点が挙げられるかと思われます。

 

しかしながら、実務的には、われわれ仲介業者が間に入る一般的な契約であっても、借主の住民票や連帯保証人の印鑑証明等の本人確認書類を提出してもらうことにより、契約が間違いなく成立しているということに関しては問題なく立証可能です。

 

なお、公正証書を作成した際は、原本が公証人役場に保管されます。
したがって、たとえ貸主のほうで契約書をなくしてしまったとしても、原本はきちんと公証人役場に保管されているので安心というメリットも考えられますが、それだけでは費用対効果としてはやや物足りません。

 

ほかにメリットはないのでしょうか?

 

 

◎実は、契約書を公正証書にすることの最大のメリットは、

【家賃の支払いを強制できる】という点にあります。

 

 

公正証書でない普通の契約において、借主に賃料の滞納が生じた場合、一般的に貸主がとる行動としては

 

①電話や手紙で支払いを催促する

②それでもラチがあかなければ、賃料を支払うように裁判を起こす

③裁判所から判決を得て、強制執行という手段を用いて回収しようとする

 

ざっくり言うとこのような流れになるかと思いますが、

 

 

賃貸借契約書を公正証書にし、

且つ公正証書内に「家賃を支払わない場合には直ちに強制執行をされても異議ありません」

という趣旨の文言を記載しておけば、

 

 

借主が家賃を支払わない場合は、

貸主は「裁判を省略して直ちに強制執行を行うことができるようになる」

 

というわけです。

 

 

貸主として、この部分についてメリットを感じるようであれば公正証書を作ることも意味があると思いますが、借主にとっては特段のメリットがありませんので、折半にしても費用負担を持ち掛けることは難しいと思われます。

 

また、客付けがなかなか難しく、借り手市場の昨今においては、入居申込のテナントに対し、「契約書は公正証書にて作成します、もし賃料を滞納した際には、強制執行されても異議がないと記載いたします。なお、公正証書の作成費用は折半にします」などと言ったら逃げられてしまうかも知れません。。

 

現実的な話として、テナント物件で深刻な賃料滞納が発生した時に、強制執行を行ったところで、押さえるものは殆ど残っていないというのも実際でしょうし、連帯保証人からの回収を考えたほうがよいと思われます。

 

そのためにも、契約の段階でしっかりとした連帯保証人を確保することのほうがより大事といえそうです。

 

参考までに、経験で言いますと、契約対象が中小零細の法人の場合、法人契約で連帯保証人は代表者の個人保証で契約をした場合に、あまり良い経験をした記憶がありません。。

(法人と個人で人格が違うとはいえ、結局のところ、お財布は一緒というわけです)

 

 

*ちなみに、公正証書作成の手数料は、その目的価値により決まりますが、賃貸借契約の場合は契約期間分の賃料の2倍相当額が目的価値となります。

 

詳しくはコチラをご参照ください

手数料(公正証書作成等に要する費用)

 

 

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