再契約型定期借家契約 非再契約型定期借家契約

不動産相続コンサルタントのブログ@東京多摩

定期借家契約にすると入居者が敬遠して募集に支障をきたす!?

読了までの目安時間:約 8分

 

2000年の3月に、「良質な賃貸住宅等の供給促進に関する特別措置法」の施工にともないスタートした「定期借家契約」

 

施行からはや14年が経過しましたが、国土交通省住宅市場動向調査によると、現状の普及率はまだ5%程度とのこと。

 

定期借家契約(以下、「定借」といいます)のメリットを理解して導入したいと考え始めるオーナーも徐々にですが増えてきているにもかかわらず、思ったほど普及が進まないのは何故でしょうか?

 

その背景について考えてみたいと思います。

 

 

 

※「定借運用」

 

つまりそれは、通常の継続性のある建物賃貸借契約において、

当たり前に定期借家契約を使用するということです。

 

当社においては、5年ほど前から全管理物件の賃貸借契約を「定借」で行っています。

手前味噌ではありますが、恐らく多摩エリアにおいては先駆的存在であり、新規と再契約の延べ契約件数もトップクラスではないでしょうか。

 

悪質な滞納者や、居住マナーを守らない不良入居者に対して有効なカードを切れるという意味において、定借は賃貸経営のリスクを明らかに軽減するといえ、5年ほどの運用実績の中で、現にその効果も実感しているところでもあります。

 

しかしながら、世間では、

 

    • 定借では家賃が下がってしまう。
    • 礼金が取れない
    • 入居者が敬遠して募集に支障をきたす

などといった誤ったイメージが浸透の妨げになっています。

 

 

そのような誤解を払拭して定借運用の理解の浸透のためには、

「再契約」についての認識から整理するとよいと思われます。

 

再契約という観点において、定期借家権は大きく以下の3種類に分類できると考えられています。

 

 

①「再契約型」定期借家権

 

一般的に、借主は「定期借家契約でお貸しします」といわれると、自分の希望する期間を住み続けることができないのではないかと不安を覚えます。

 

そこで、借主の不安を解消し、定借を受け入れてもらいやすくする方法として、原則として「再契約」を行う「再契約型定期借家契約」を考える必要があります。

 

これは、借主に対して原則として再契約を保証するものですが、しかし無条件に再契約をする約束をしてしまっては問題のある借主を簡単に立ち退かせることができなくなってしまいますので、併せて「再契約拒絶権」の説明を行う必要があります。

 

滞納や契約違反など問題のある借主とは、再契約を行わず退去させる一方、優良な入居者には再契約の保障を与えるのです。

 

問題のある入居者が退去すれば、他の入居者にとっては良好な居住環境を得ることにもつながり、入居者にとってもメリットがある契約であることを訴求できます。

 

 

②「再契約未定型」定期借家権

 

再契約を行うか否かは貸主の自由になっており、この契約は、契約上「期間が満了した場合は、貸主・借主が協議の上で再契約をすることができる」という内容になります。

 

これは、再契約は未定という意味で、その時になってみないと再契約をするかどうかわからない、というものです。

 

この、「再契約未定型」は借主にとっては次の再契約をしてもらえるのかどうか不安要素となり、借主の募集には不利になる可能性が高いと思われます。

 

 

③「非再契約型」定期借家権

 

当初の契約期間満了で終了とし、再契約を一切行わないことを前提とした契約方式です。

 

予定通りの時期までに退去してもらえるため、3年間だけ部屋を貸して、後に自ら使うといった「転勤」などのケースや、2年後には建物を取り壊すといった「取り壊し・建て替え」のケースにも最適です。

 

この方式で契約期間が短い場合、通常の募集金額よりも条件を緩和するといった対応が必要となるケース想定されます。

 

 

なお、上記①②③のいずれの定期借家契約においても、「更新の概念がなく、期間満了の時点で建物賃貸借契約は終了する」という点で共通しています。

 

 

さて、いかがでしょうか。

この①②③の定借を見比べてみると。①の「再契約型」であれば、何となく普通に貸せるというイメージが湧いてこないでしょうか!?

 

実際に、当社においても、全管理物件の建物賃貸借契約は、この①の「再契約型」にて運用しています。

 

また、実務の現場でも、『原則として再契約をします』ということを説明をすれば、99%ほとんどのお客様には理解していただけます。

 

それでもなお、定借では納得がいかないという人がいたとすれば、ハナから問題を起こす可能性が高いと判断して入居をお断りしたほうが賢明かもしれません。。

 

 

このように、賃貸経営のリスクを軽減するうえでも、オーナーにとってメリットの大きい「定借」

 

しかしながら、なかなか普及しない理由としては、先に挙げたように業者側の誤ったイメージがひとつ。

 

それと、もう一つにはメリットは理解しても、実務においては書類が多くて業務が煩雑になる。

いわゆる「メンドクサイ」というのが大いにあると思われます。

 

そうでなければ、このようにメリットが大きい「定期借家契約」を使わない手はないのですが。

 

 

賃貸業者が、オーナーのメリットを追求しようという姿勢にならない限り、

なかなか浸透は難しいのかも知れませんね・・・

 

 


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