賃貸契約における連帯保証人の責任

不動産相続コンサルタントのブログ@東京多摩

契約更新後の滞納賃料を連帯保証人に請求できるのか?

読了までの目安時間:約 6分

 

長引く不況で雇用等の先行きも不透明な状況下において、残念ではありますが、賃料の滞納案件も増加傾向にあり、賃貸管理業者としては頭の痛いところでもあります。

 

通常、アパートマンション等の賃貸住宅の契約の際には、親族等の連帯保証人が必要となってきます。

 

一般的には親が連帯保証人となるケースが多いですが、賃貸契約者自体の年齢が上がってきている中、その親となれば高齢となり、連帯保証人として適正でないと判断せざるを得ない事例も増えてきています。

 

また、いざ滞納が発生して、連帯保証人に請求となったとしても、地方の借家暮らしの高齢世帯には保証能力がないというケースも少なくありません。

 

そのようなケースに備えて、近年では最初から入居者に費用を負担してもらって賃貸保証会社を活用する場面も増えておりますが、今後はますます保証会社が主流になってくるものと思われます。

 

 

さて、表題の件、契約更新後も未払い賃料の支払責任が連帯保証人に及ぶかどうかですが、

平成9年11月13日、最高裁において以下のような判決があるようです。

 

この事案は、昭和60年5月に賃貸人Yと賃借人Zとの間で期間2年とする賃貸借契約が締結され、Xが連帯保証人となり、その後数回にわたって契約が更新されていたが、平成3年の合意更新後、賃料滞納が目立ち始め、平成5年6月に至って、連帯保証人Xに対しておよそ2年分の滞納賃料の支払いを求めたというもの。

 

これに対して、連帯保証人Xは

 

契約の更新にあたって、Yが連帯保証人の署名捺印をあらためて要求したことはなく、保証意志の確認をしたこともなかったことから、本件連帯保証人の効力は合意更新後に生じた未払い賃料には及ばない。仮にそうでないとしても、ここまで放置したうえでXに請求するということは信義則に反する

 

と主張したため、その当否が争点となったようです。

 

 

一審の神戸地裁は、保証人Xの支払い義務はないと判断。

(仮に、賃貸人Yの保証人Xに対する請求が認められると、Zが建物から退去しない限り、将来にわたって連帯保証人としての責任を問われてしまうということを重視したと思われる)

 

これに対して、二審の大阪高裁は、一審判決を取り消し、Xの支払い義務はあると判断。

 

さらに上告され、最高裁の判断は

 

『期間の定めのある建物の賃貸借において、賃借人のために保証人が賃貸人との間で保証契約を締結した場合には、保証をしない旨を明示するなど特段の事情がない限り、保証人が更新後の賃貸借から生ずる賃借人の債務についても保証の責めを負う趣旨で合意がなされたものと解するのが相当であり、保証人は、賃貸人において保証債務の履行を請求することが信義則に反すると認められる場合を除き、更新後の賃貸借から生ずる賃借人の債務についても保証人として責任を免れない』

 

つまり、最高裁は「連帯保証契約の効力は、更新後の未払い賃料にも及ぶ」と判断しました。

 

 

では、どれほどの期間放置していれば、請求が許されないほど信義則に反していると認められるのでしょうか?

 

 

個人的には、今回の事案のように2年も放置していれば十分に信義則に反していると思うのですが・・・

逆に、2年も放置しておきながら、2年分の滞納賃料を連帯保証人に請求して訴訟まで起こす賃貸人Yのほうがおかしいと思いませんか?

 

 

余談ですが、われわれ管理会社の実務において、地方の親御さん等の親族が連帯保証人となる場合、賃貸借契約書原本ではなく、「連帯保証確約書」などの別紙1枚を郵送でやり取りしているしている管理会社も少なくないのではないでしょうか?

 

さらに、契約更新の際には保証人の確約書も取り交わしていないというケースもあるかと思います。

 

当社におきましては、数年前より全管理物件に「(再契約型)定期借家契約」を導入し、再契約時にも新規契約時と同様の契約書類を作成すると同時に、契約書の原本に連帯証人の実印(印鑑証明証添付)を捺印することを徹底しております。

 

業務的にはかなりの負担となりますが、こういった滞納トラブルを未然に防ぐためには仕方がないところですね。

 

また、昨年暮れからは、賃貸保証事業部門を社内に立ち上げ、責任を持って管理物件の滞納保証を行うことも開始したところです。

 

滞納問題でお悩みのオーナー様。

 

東京多摩地区の事案であればお役に立てるかと思いますので、どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

 

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