取得費加算の特例の改正

不動産相続コンサルタントのブログ@東京多摩

取得費加算特例の改正で譲渡税が大幅にアップ!?

読了までの目安時間:約 6分

 

以前の記事で、相続税取得費加算特例の改正について書きました。

 

「取得費加算の特例」とは、売却した土地の、いわゆる原価となる部分の取得費に一定額を加算して原価の額をアップしてくれることにより、売却益が減って譲渡税も軽減される仕組みです。

 

相続財産である土地を売却すると、相続税のほかに譲渡税まで二重に課税されてしまうことを回避するため、相続税の申告期限から3年以内の売却であれば、譲渡税が軽減されるというものです。

 

 

さて、いよいよ平成27年1月1日相続分以降からは改正後の特例が適用されるわけですが、

今回あらためて、現行制度と改正後の数字の比較を具体例で掘り下げてみたいと思います。

 

 

以下のような前提条件とします。

 

【相続財産の内訳】

●土地Aの評価額 2000万円

●土地Bの評価額 6000万円

●現 預 金    2000万円   合計10000万円

 

*納める相続税の額は、法定相続人の数やその構成によって異なりますが、

ここでは便宜上、相続税額3000万円とします。

 

この場合、土地Aを2500万円で売却した前提で譲渡税額を計算してみます。

 

 

 

【現行制度での計算】

 

1.相続財産合計  10000万円

2.相続税額      3000万円

 

3.土地Aを2500万円で売却した場合

(1)収入金額  2500万円

(2)取得費    125万円 ※(1)×5%

(3)取得費加算 2400万円  (注)3000万円×(8000万円/10000万円)

(4)譲渡経費   75万円 ※売買仲介手数料3%で計算

 

(5)譲渡所得

(1)ー(2)-(3)-(4)=0(▲100万円)

 

※従って、譲渡課税はなし

 

 

※先祖代々の土地等で取得費が不明の場合には、

売却価格の5%を、いわゆる原価として計算します。

 

 

●次に、平成27年1月1日以降の相続開始分にて計算してみます。

 

 

【取得費加算改正後の計算】

 

1.相続財産合計  10000万円

2.相続税額     3000万円

 

3.土地Aを2500万円で売却した場合

(1)収入金額  2500万円

(2)取得費    125万円 ※(1)×5%

(3)取得費加算  600万円 (注)3000万円×(2000万円/10000万円)

(4)譲渡経費   75万円 ※売買仲介手数料3%で計算

 

(5)譲渡所得

(1)ー(2)-(3)-(4)=1700万円

 

※従って、譲渡課税あり(長期保有で20% 340万円)

 

 

現行と改正後の違いで注目していただきたい点は、

取得費加算の額の計算における分数式の部分です。

 

注意書きにあるように、改正前と改正後では、

相続財産に占める土地の価格の割合が変わってきます。

 

 

現行制度では、納めた相続税額のうち、売却するのが土地Aだけであっても、

売却しない土地Bの評価額まで含めて割合計算できるのに対して 、

改正後は、実際に売却した土地の評価額しか割合計算に含めることができません。

 

 

■取得費加算の計算式

(現行)  土地の評価額の合計額/相続税の課税価格

(改正後) 売却した土地の評価額/相続税の課税価格

 

 

よって、改正後は取得費として加算される金額が大きく減ってしまうため、

事例のケースでは、340万円も譲渡税が生じてしまうことになります。

 

この事例からもわかるように、取得加算の特例改正後においては、

いわゆる地主さんの相続に大きく影響を及ぼしてくる可能性が高そうです。

 

 

 

※以上の計算は、不動産相続コンサルタントが簡便的に計算したものです。

実際の税額は個々の事情により異なる可能性がありますので、詳しくは最寄りの税務署および顧問税理士等にお尋ねください。

 

 

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