特別受益 寄与分

不動産相続コンサルタントのブログ@東京多摩

特別受益と寄与分について

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法定相続分や遺言による指定相続分が決まると、それに従って相続財産を分けます。

 

しかし、被相続人が生前に特定の相続人に多額の贈与をしたり遺言で遺贈した場合や、相続人の中に相続財産の維持・増加に貢献したり被相続人の療養看護に尽くしたりした人がいる場合、それらを考慮しないで財産を分けると不公平になります。

 

そこで、民法では相続人間の公平性を図るために、特別受益や「寄与分」といった定めがあります。

 

 

贈与や遺贈された財産は特別受益とみなされる

 

民法では、相続人間での公平性を図るために、故人となった被相続人から相続人に対して贈与や遺贈された分は「特別受益」とし、相続財産に加えて算定すると規定されています(みなし相続財産といいます)。

 

このことを「特別受益の持ち戻し」、生前に特別な財産的利益を受けた相続人を「特別受益者」といいます。

 

贈与で特別受益にあたるのは、次のようなケースです。

 

①婚姻もしくは養子縁組で受けた贈与

結婚のために多額の家財道具の購入や持参金を出してもらった場合など。

世間並みの挙式費用は贈与ではないと考えられますが、特別に盛大な挙式のときは特別受益とみなされます。また、養子に行くにあたり多額の金銭を贈与された場合は、特別受益となります。

 

②生計の資本として受けた贈与

親が子に対する扶養義務の範囲を超えて多額の贈与をした場合で、戸建て住宅やマンションを買ってもらったりその資金を相当額出してもらった時や、事業用の店舗を新築したり多額の営業資金を出してもらったときなど。

数年間の海外への留学費用などもこれに該当します。

 

【特別受益の評価は時価で行う】

特別受益は、相続開始時の価額で評価します。現金であれば贈与額が原則ですが、不動産は相続開始時の時価となりますので、差が大きければ現在価格にて計算しなおします。

また、特別受益には時効がなく、何十年前も前に受けた贈与も対象となります。たとえ贈与を受けた建物が相続開始時に火災で焼失していても、自らの失火の場合は現状のままあるものとして計算します。ただし、失火原因が他にあるときは、贈与はなかったものと扱われます。

 

 

故人に特別に寄与した人は相続分を増加できる

 

よく、「自分は親の面倒を見てきたのだから、他の子供よりも財産を多く相続する権利があるはずだ」などといった主張をする人がいますが、民法では、被相続人の財産の形成や増加、維持などに特別の貢献があった相続人には、その貢献の度合いを「寄与分」として法定相続分に上乗せして算定することを定めています。

 

特別寄与者に該当するケースは次のとおりです。

 

①事業に関する労務の提供または財産上の給付

農業や商店、工場経営などをしていた被相続人の事業を無償で手助けした人や営業資金などを無償で貸与、給付した人など。相当の給与を受け取っていた場合は特別の寄与にはあたりません。

 

②被相続人の療養看護、その他

自らの仕事を犠牲にしてまで病気の親の世話を続けてきた人、ヘルパーなどの費用が掛かる人を雇わないで入院の付き添いをしてきて人など。この場合も、同居で生活費を被相続人が負担していた場合は特別の寄与には該当しません。

 

寄与分を主張できるのは相続人だけです。ただし、夫婦間での協力義務や内助の功といったものは、同居・扶助の義務があるので特別な寄与とは言えません。また、寝たきりの父親を長男の嫁が献身的に療養看護するケースは少なくないですが、法定相続人には寄与分は認められていませんので、もしも長男の嫁に対して財産を残したい場合は、遺言で意思表示をすることが必要です。

 

 

特別受益や寄与分は分割協議での話し合い

 

財産をどのように分けるかということは、基本的に相続人の話し合いで決まります。

 

よって、例えば「長男が全ての財産を相続する」ということで相続人全員が合意して遺産分割凝議が成立すればそれが有効となるわけで、分割協議で円満に話し合いで合意できれば、「法定相続分」も「寄与分」も「特別受益分」も全く気にする必要がないというわけです。

 

残念ながら、相続人間で協議しても決まらないとき、または協議ができないときは、特別受益者や特別寄与者が家庭裁判所に調停を申し立てて解決を図ることになりますが、調停でも決まらない場合は、最終的には審判によって決定されます。

 

裁判所は、寄与や特別受益の時期、方法および程度、相続財産の額など、その一切の事情を考慮して、寄与分や特別受益分を定めます。

 

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