相続放棄と相続分の放棄

不動産相続コンサルタントのブログ@東京多摩

「相続放棄」と「相続分の放棄」

読了までの目安時間:約 4分

 

相続のご相談を受けていると、数多くの誤解や勘違いに出会います。

 

代表的なものには「借金をすれば相続税が減る」という誤解です。借金そのものには相続税を減らす節税効果はありません。借金で得た現金でアパート(マンション)を建てる、つまり現金を建物に換えるから節税効果が生じるのです。

 
もうひとつの代表的なものは「相続放棄」と「相続分の放棄」の混同です。この誤解は、負の財産(借金・保証債務)の状況によっては勘違いではすまない場合もあります。特に、突然に表に出てくる保証債務は恐ろしいものがあります。

 

 

では、「相続放棄」と「相続分の放棄」の違いを見てみましょう。

 
相続放棄⇒相続人であることを知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し述べますが、家庭裁判所に放棄が受理されれば最初から相続人ではない立場となりますので、被相続人との間に一切の相続関係は生じません。よって、当然に不動産や預貯金など正の財産を相続することはできませんが、逆に借金や連帯保証人の地位(保証債務)など負の財産も相続しなくて済みます。

 
相続分の放棄⇒「財産はいらない」と遺産分割協議書にハンコを押して相続を放棄したと言っている人がいますが、これは、「相続放棄」ではなく「相続分の放棄」となります。つまり、ゼロの財産を相続したということになり相続人の地位は残ります。借金や保証債務は、相続人全員が法定相続分の割合で相続する「可分債務」のため、「自分は一切財産はいらない」と相続分の放棄をしたとしてもこれらの債務は相続してしまうのです。

 

lgi01a201409241300

 

 

ひとつ例をあげてみたいと思います。

 

子どものいない夫婦がいました。不幸にもご主人が急逝してしまったため、相続人は奥様とご主人(長男)の父母となります。義父母からみると奥様は非常にできた嫁で、実の娘のように可愛がっていたので、息子の財産は全てお嫁さんが相続できるようにと相続放棄の手続きを司法書士へお願いしたところ、司法書士は義父母の話を傾聴せずに言われるがまま相続放棄の手続きを取り、家庭裁判所に受理されてしまいました。

 

 

受理されると最初から相続人ではなかった立場となります。相続に関して直系尊属が存在しないこととなり、相続順位が第3順位のご主人の兄弟姉妹に移ってしまいます。残された奥様にとって、義兄弟姉妹と遺産分割について話し合いをしなくてはならないのは辛いものがありますね。この場合は、遺産分割協議で義父母が「相続分の放棄」をすれば、相続人としての地位は残るので相続順位は変わらず、奥様は円滑にご主人の全財産を相続することが出来たのです。

 
予想外の借金が出てきた、放棄したいが3ヶ月は過ぎてしまったなど、相談者はワラをもすがる思いですが、負債相続については専門家の支援が少ないのが現状です。相続サロン多摩相談センターでは、希少な負債相続の専門家とも連携して対応をしております。

どうぞお気軽にご相談ください。

 

(参考:アルファ野口「野口レポート」より)

 

相続サロン東京多摩相談センター

 

 

 

スポンサーリンク

 

相続と贈与のキホン    コメント:0

この記事に関連する記事一覧

コメントフォーム

名前

 

メールアドレス

 

URL

 

 

コメント

トラックバックURL: